いろいろ考えすぎて眠れない…どうすれば?メンタルドクター推奨「脳を鎮める」3つの対処法

「先生、体は疲れているんです。でも、横になっても頭がどんどん冴えてしまう感じで」
そう言われることがあります。がんばっている人ほど起きやすい印象ですね。睡眠の話というと、生活習慣や環境の話が中心になりがちですが、今回は少し視点を変えて、“頭の中のブレーキのかけ方”について書いてみます。どれも難しいことではないので、合いそうなものだけ拾ってくださいね。
医師紹介
大人と子どもの双方で、トラウマや愛着障害に心理療法的アプローチを用いる医師。これまでのべ3,000人以上の臨床に携わる。東京大学医学部附属病院精神神経科に入局後、東京警察病院や国立精神神経医療研究センター等を経て、児童精神科外来を3年間、トラウマ専門外来を2年間担当。著書『泣きたくなったら壁を押せ』(サンマーク出版、2026年)では、心理療法のプロセスを物語として描き、私たちの感情の奥にある“適応の物語”をたどった。その視点をともに探る場として、オンラインコミュニティ「しなここメイト」を主宰。cotree顧問医。産業医。日本小児精神神経学会所属。
Xアカウント:@maemae_med(まえまえ医師)
目次
いろいろ考えすぎてしまうと眠れない原因
まずひとつ安心してほしいのは、考えすぎてしまうこと自体は、悪いクセというより「脳の働きが活発」な状態です。
脳には、おおまかに言うと動くモードと、休むモードがあります。眠れない夜は、この切り替えが少しだけうまくいっていません。
責任感が強い人や、先を見通して考えるタイプの人ほど、スイッチが入りっぱなしになりやすいです。
それから、「早く寝なきゃ」と思えば思うほど目が冴える、というのもよくあることです。
睡眠は、取りに行くというより、条件がそろうと自然に落ちてくるものです。
ここが逆になってしまうと、うまくいきにくいです。
対策1:頭の中をいったん外に出してみる
考えごとを止めようとするより、外に出してしまう方が楽なことがあります。
寝る前に1〜2分だけ、頭の中をメモに書き出してみてください。スマホのメモでも、紙でも大丈夫です。
たとえば、よくあるのは以下のようなことです。
- 気になっていること
- 明日の用事
- 引っかかっている出来事
- 理由はないけど消えない思考
きれいにまとめなくてOKです。箇条書きで十分です。就寝前に「やること」を書き出した人の方が、寝つきが早くなったという研究もあります。外来でも、「書いたら少し楽でした」と言われることがあります。
脳は、「覚えておかなくていい」とわかると、落ち着いていきます。
対策2:呼吸が合わない人は、体からゆるめる
深呼吸が合う人もいれば、あまりしっくり来ない人もいます。 そんな時は、先に体の方から落ち着かせる方法もあります。
やることはシンプルで、 ほんの少し力を入れて、抜く、です。
「つま先に軽く力を入れる → 数秒 → ふっと抜く」
それを、ふくらはぎ、太もも、肩、まぶた…とゆっくり移していきます。
コツは「がんばらない強さ」でやること。 弱くて大丈夫です。
体の感覚に注意が向くと、頭の中のループが少し弱まります。 これは治療の場面でもよく使う考え方です。
対策3:寝る前スマホとの“ちょうどいい付き合い方”
寝る前のスマホを完全にやめるのは、現実的には難しいですよね。 なので、内容を少しだけ調整するのがおすすめです。
たとえば、以下のような工夫が脳への刺激を和らげる助けになります。
- 画面をモノクロ表示にする
- 見慣れた漫画やエッセイにする
- SNSやニュースは避ける
- 時間を決めておく(10分くらい)
新しい情報や、感情が動く内容ほど脳は目が覚めます。それと、毎晩同じ小さな流れを作るのも意外と助けになりますよ。
「白湯を飲む → 同じ音楽を流す → 同じ場所で少し座る」
これが続くと、その流れ自体が「休む合図」になります。
まとめ
考えすぎて眠れない夜は、めずらしいことではありません。 むしろ、よく考える人ほど起きやすいです。
止めようとするより、 出す・ゆるめる・切り替える。
この3つを少し意識するだけでも、脳の静かさは変わってきます。
全部やらなくて大丈夫です。 合いそうなものをひとつだけでも、今夜ためしてみてくださいね。
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