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春の「なんとなく不調」。放置すると命の危険につながる可能性も…!?自律神経の乱れと重大疾患、見極めのポイントを医師が解説【医師解説】

公開日: 2026年04月27日
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季節と環境の変化が重なる4月は、“なんとなく不調”になる人が少なくありません。しかし、なかには命の危険につながる可能性がある不調も潜んでいることがあるそうです。

自由が丘ルミナスクリニック院長で内科・循環器の専門医である早田輝子医師に解説してもらいます。

医師紹介

自由が丘ルミナスクリニック院長。循環器専門医・総合内科専門医・医学博士。25年以上の臨床経験をもとに、心臓・血管の専門性と女性ホルモンの知見を融合した診療を行う。更年期症状や原因不明の不調に対し、「どこに相談すればよいかわからない」方の受け皿として総合的にサポート。医療の枠を超え、女性が自分らしく輝くための発信にも力を入れている。

春の「なんとなく不調」が「気のせい」ではない理由

春は気温や気圧の変化に加え、入学・異動・引っ越しなど環境の変化が重なる季節です。こうした変化は自律神経に大きな負担をかけ、「なんとなく不調」を引き起こしやすくなります。

とくに女性の場合、もともとホルモンバランスの影響を受けやすく、自律神経との相互作用によって、だるさ・めまい・動悸・不眠といった症状が出やすくなります。

また春は寒暖差が大きく、血圧や心拍数が変動しやすい季節でもあります。循環器の視点では、こうした身体の変動が「軽い不調」として現れている、とみられることがあります

つまり春の不調は「気のせい」ではなく、体の調整機能がフル稼働しているサインともいえます。

「なんとなく不調」に重大な疾患が潜んでいる可能性も…!

春の「なんとなく不調」の多くは一時的な自律神経の乱れやホルモンの影響ですが、なかには重大な疾患の初期症状として現れている場合もあります。

例えば、動悸や息切れの裏に不整脈や心不全、貧血、甲状腺疾患が隠れていることがあります。また、胸の違和感や息苦しさは、狭心症などの心血管疾患の可能性も否定できません。

実際の外来でも、「更年期やストレスだと思っていたら別の疾患が見つかった」というケースは珍しくありません。

とくに注意が必要なのは、「いつもと違う」「だんだん悪化している」「安静にしても改善しない」といったケースです。

「なんとなく不調」の中にも、体が発している重要なサインが含まれていることがありますので、違和感を軽視しすぎないことが大切です。

「ホルモン由来の不調」と「命に関わる動悸・息切れ」の見極め方は?

ホルモン由来の不調なのか、それとも重大な疾患なのかを見極めるポイントはいくつかありますが、まず重要なのは「症状の出方」です。

ホルモンや自律神経による動悸は、ストレス時やリラックス時など状況によって変動しやすく、一過性であることが多いです。また、深呼吸や休息で改善する傾向があります。

ただし、ホルモンバランスの変化による不調であっても、薬や漢方、サプリメントなどで症状を和らげることが可能です。つらい症状がある場合は、我慢せず医療機関へ相談しましょう。

一方、循環器疾患による症状は、労作時(階段や歩行時)に悪化する、持続時間が長い、頻度が増えていくといった特徴があります。胸痛や冷や汗、強い息苦しさを伴う場合はとくに注意が必要です。

また「これまで感じたことのない強い症状」や「日常生活に支障をきたすレベル」の場合は、早めの受診をおすすめします。

臨床では、患者さんの訴えを丁寧に聞くことが、重大な疾患を見逃さないための重要な手がかりになります。

「なんとなく不調」で通院する場合の検査内容は?

「なんとなく不調」で通院いただいた場合、症状に応じて検査内容は異なりますが、まずは問診と身体診察を行い、その上で必要な検査を選択していきます。

循環器的な評価としては、心電図検査やホルター心電図(24時間心電図)、心エコー検査などが代表的です。これにより不整脈や心機能の異常を確認することができます。

また、症状や状況に応じて、女性ホルモンや甲状腺ホルモンなどの血液検査を行うこともあります。血液検査では貧血や甲状腺機能、炎症の有無などをチェックします。動悸や倦怠感の原因は多岐にわたるため、総合的に評価することが重要です。

不調の原因はひとつとは限らず、自律神経・循環器・ホルモンの影響が重なっていることも少なくありません。そのため、当院では循環器専門医として心臓や血管の評価を丁寧に行い、異常がない場合でも、ホルモンバランスや体調全体を踏まえたケアのご提案を行っています。

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