ダイエット目的での「マンジャロ」利用。「安全性」を懸念する医師が多数の一方、適応拡大や適切な処方を求める声も

しかし、マンジャロはあくまで糖尿病患者向けの薬。医学的な適応が確認されていない人が利用した場合、さまざまな健康リスクが懸念されるだけでなく、保険適用外の自由診療のため予期せぬ副作用があった場合に医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があります。
そこで今回、病院なび MediQA編集部では現役医師を対象に、「マンジャロの適応外使用」に関するアンケートを実施しました。
医師たちはこの現状をどのように見ているのでしょうか。
目次
約半数の医師が安全性を懸念、そのほか否定的な意見が上位を締める
今回のアンケートでは、「マンジャロの適応外使用」について、選択肢の中から“あてはまるものをすべて”選ぶという形式で実施しました(有効回答数62件)。

調査対象 :eヘルスケアの医師向けサービス「Doctors Square」登録会員医師
調査方法 :インターネットアンケート
調査期間 :2026年4月1日 (水)~2026年4月14日 (火)
有効回答数:62件
もっとも多かったのは、やはり「安全性」への懸念。約半数の医師が選択しており、回答と合わせて寄せられたコメントの中には
「当院に受診した患者さんがマンジャロをネットで購入して、低血糖を起こして救急病院に搬送されました。やはり素人が購入できないようにすべきです」(皮膚科)
「急な体重減少でのSMA症候群のリスクには、戦慄しました」(内科)
といった、実際に自身が体験したトラブル例や、懸念も見ることができました。
そのほかにも、供給不足、倫理的問題、副作用時の救済対象外の懸念など、「マンジャロの適応外使用」に対しては否定的な回答が上位を占める結果となりました。
適応拡大の提案や、適切な処方であれば容認する声も
一方で、事実としてマンジャロには体重減少効果があることから、保険適用の拡大や適切な処方を提案する意見も見られました
「肥満の糖尿病患者への効果は秀逸です。それだけに適応外での乱用にはいろいろと懸念があります」(内科)
「私は保険医ですので保険診療適用外使用はしません。ほかの医師や医療機関が適用外使用する場合は医師・患者ともに自己責任であり、有害事象が出た時も自費診療にすべきと思います。ただし、もう少し保険適応や施設要件を緩和することは考えてよいと思います」(内科)
「肥満症に使えるなら、早めに肥満症の適用を認めてほしい」(内科)
なお、選択肢「個人の選択を過度に制限すべきでない」を選択した医師はひとりもいませんでした。
仮にマンジャロのダイエット効果が認められたとしても、自由にそれが購入・利用できる状況を支持する医師はいないということがわかります。
まとめ
今回のアンケートでは、マンジャロの適応外使用に対して否定的な意見が多数を占める結果となりました。
安全性への懸念を筆頭に、供給不足や倫理的問題を指摘する声が目立ち、実際に患者がトラブルに巻き込まれた事例も報告されています。
一方で、マンジャロの体重減少効果そのものを否定できないのも事実。適切な処方によって「肥満症」などへの対策にもなる、といった意見も見られました。
いずれにしても、現時点でマンジャロとしての国内での適応は2型糖尿病患者向けの治療薬であることに変わりはありません。
適応外使用は自身への健康リスクだけでなく、糖尿病患者や医療関係者への影響があることを忘れないようにしましょう。
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