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なぜあの人はつらくなさそうなの…?花粉症の症状に差が出る理由をアレルギー専門医が解説

公開日: 2026年02月09日
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花粉症ですが、実は「花粉が多いから症状が出る」だけではありません。同じ環境でも症状の強さに差が出るのは、体質や免疫の反応、体調などが大きく関係しているためです。本記事では、花粉症が起きる仕組みをはじめ、症状が強く出やすい理由、日常生活での注意点、薬を使ってもつらいときの対処法まで、わかりやすく解説します。 教えてくれたのは、草ヶ谷医院の院長でアレルギー専門医の草ヶ谷英樹 医師です。

医師紹介

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草ヶ谷 英樹院長
呼吸器内科専門医・指導医
総合内科専門医
アレルギー科専門医
医学博士

草ヶ谷医院 院長/医療法人博雅会 理事長(静岡市清水区)。静岡市出身。大学病院や地域の中核病院で経験を積んだのち、草ヶ谷医院を継承。現在は地域医療の窓口として奮闘中。呼吸器疾患やアレルギー疾患を中心に、内科全般にわたる診療を行い、年間約25,000人の診療に携わっている。「医療を通じて関わるすべての方の笑顔と元気に貢献する」という理念のもと、診療だけでなく、スタッフが安心して働ける仕組みづくりにも力を入れている。また、医療への理解を深める一助として、YouTubeチャンネルを通じて病気や治療に関する情報を届けている。

●YouTube「ドクターくさがやの呼吸器アレルギーnaviチャンネル」

そもそも花粉症とは、体内でどのようなことが起きている状態なのでしょうか?

簡単に言うと、本来は体に害のない花粉に対して、体の免疫が「敵だ!」と勘違いして過剰反応してしまっている状態が花粉症です。

鼻や目から花粉が入ると、体の中で「IgE抗体」という物質が作られ、それがマスト細胞(肥満細胞)にくっつきます。そして次に花粉が入ってきたときに、花粉とIgE抗体、肥満細胞がくっつきあうことがスイッチとなり、肥満細胞が活性化されます。

すると「ヒスタミン」や「ロイコトリエン」といった物質が放出され、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみといった症状が出ます。

つまり花粉症は「花粉の量」だけでなく、「体の反応のしかた」が大きく関係するアレルギー反応です。

同じ量の花粉を吸っていても、症状が強く出る人とほとんど出ない人がいるのはなぜでしょうか?

これは、体質と免疫の反応の強さが人それぞれ違うからです。

  • もともとアレルギー体質かどうか
  • IgE抗体がどれくらい作られやすいか
  • 鼻や目の粘膜がどれだけ敏感か

といった要素が組み合わさって、症状の出やすさが決まります。また、毎年の花粉曝露(ばくろ)の積み重ねで、年々反応が強くなる人もいます。

花粉症の症状は、体調やその日のコンディションによって変わることがありますか?

かなり変わります。睡眠不足、疲労、ストレス、風邪気味、女性ではホルモンバランスの変化などがあると、粘膜が敏感になり、普段より症状が強く出やすくなります。

また、晴れて風の強い日や、雨上がりの翌日は花粉量が増えやすく、その日の環境によっても症状は大きく左右されます。

症状が強くなりやすい人が、花粉の時期に注意すべきポイントを教えてください

ポイントはできるだけ体に触れる・浴びる花粉の量を減らすことと、症状が出たら早めに抑えることです。

基本対策として、花粉が多い日は、マスクとメガネを併用しましょう。帰宅時には衣服の花粉を払い、できればすぐ洗顔やシャワーをしてください。花粉の時期は服を選ぶ際も、花粉が付きやすいウール素材より、表面がつるっとした服を選ぶと効果的です。屋内にいるときも窓はなるべく閉め、空気清浄機を活用しましょう。

症状が軽くても、医師から処方された薬は自己判断でやめないでください。生活対策と薬物治療を両輪で行うことが大切です。

処方薬をちゃんと飲んでいるけど症状ひどくてつらい!というとき、一時的にでも症状が緩和できる方法はありますか?

いくつか現実的な対処法があります。まず、点鼻薬(ステロイド点鼻)を正しく使えているかを確認してください。じつは、点鼻薬は使い方で効果が大きく変わります。角度や回数が重要です。

飲み薬+点鼻薬の併用もおすすめです。中等症以上では、飲み薬だけでなく点鼻薬を組み合わせることで効果が高まります。

目の症状が強ければ点眼薬を追加し、外出後の洗顔・洗眼で花粉をリセットしましょう。

それでもつらい場合は、薬の種類変更や配合点鼻薬、重症例では注射治療(抗IgE抗体)を検討することもあります。

「ちゃんと飲んでいるのに効かない」と感じたら、我慢せず治療の見直しを相談することが大切です。

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※本記事は特定の病気・症状について一般的な医学情報を解説したものであり、個々の症状や状態に対する診断・治療を保証するものではありません。症状の現れ方・原因・経過には個人差があり、記事内容がすべての方に当てはまるとは限りません。また、本記事の内容は公開日時点の医学知識をもとに作成していますが、ガイドライン・診療方針は変更になる場合があります。