4月25日は「世界マラリアデー」――マラリアは世界3大感染症のひとつ【今日は何の日】

今日は4月25日、こんな記念日です。
目次
今日は何の日?
4月25日は世界マラリアデーです。世界保健機関(WHO)が制定した国際的な記念日で、マラリアという感染症に対する取り組みを世界全体で共有し、対策を推進するために設けられました。
日本ではあまり聞き慣れない病気かもしれませんが、マラリアは結核・エイズとともに「世界3大感染症」のひとつに数えられる、非常に重大な感染症です。
この記念日が生まれた背景
世界マラリアデーは、2007年にWHOの最高意思決定機関である世界保健総会(第60回会議)で正式に制定されました。
この記念日には前身があります。2001年、アフリカのマラリア流行国44カ国が参加したサミットで「アブジャ宣言」が採択され、その翌年から「アフリカマラリアデー」として毎年4月25日が設けられていました。やがてこの取り組みが世界規模へと発展し、WHOが「世界マラリアデー」として制定するに至りました。
マラリアは予防も治療もできる病気です。それにもかかわらず、今なお世界中の人々の健康と生活に深刻な影響をおよぼし続けています。マラリア対策は、世界各国が力を合わせて取り組む地球規模の課題とされています。
マラリアってどんな病気?

Jim Gathany、Anopheles stephensi、パブリックドメインとしてマークされています。詳細はWikimedia Commonsをご覧ください。
マラリアは、「マラリア原虫」という寄生虫によって引き起こされる感染症です。ウイルスや細菌ではなく、原虫(目に見えない小さな寄生生物)が原因という点が特徴的です。
感染の経路は、原虫を持った雌のハマダラカ(蚊の一種)に刺されることです。人から人へ直接うつる病気ではありません。
マラリア原虫には5種類(熱帯熱・三日熱・四日熱・卵形・サルマラリア原虫)がありますが、特に人の命に関わるのは「熱帯熱マラリア原虫」と「三日熱マラリア原虫」の2種類です。
感染してから症状が出るまでの潜伏期間は7~40日ほどで、主な症状は発熱・悪寒・頭痛・嘔吐・関節痛・筋肉痛など。一見すると風邪やインフルエンザに似ています。なかでも熱帯熱マラリアは進行が速く、急速に重症化するリスクがあります。脳への影響(脳症)・腎臓の障害・肺水腫・重症貧血など、命に関わる合併症を引き起こすこともあります。
治療については、「アルテミシニン」という成分をベースにした薬を複数組み合わせて使う「ACT(アルテミシニン併用療法)」が、熱帯熱マラリアに有効とされています。また、2021年10月以降、WHOは感染リスクの高い地域に住む子どもたちへの「RTS,S/AS01」ワクチンの使用を推奨しており、幼児の感染と重症化を大幅に減らす効果が示されています。
なぜ、今も世界的な課題なのか?
2024年のデータによると、世界で約2億8,200万人がマラリアに感染し、約61万人が亡くなっています。患者の95%、死亡者の95%がアフリカ地域に集中しており、とりわけアフリカのマラリアによる死亡者のうち75%が5歳未満の子どもです。
乳幼児のほかにも、妊婦・難民・移民・国内避難民など、社会的に脆弱な立場にある人々がとくに感染リスクにさらされやすい状況があります。
予防も治療もできる病気でありながら、質の高い医療サービスへのアクセスが十分でない地域では、今も多くの命が失われています。WHOはこの現状を改善するため、新しい治療薬や診断技術、蚊の対策手段などへの投資とイノベーションを世界に呼びかけています。
日本にいても知っておきたいこと
日本国内でマラリアに感染するケースは現在ありませんが、海外から持ち込まれる「輸入感染症」として毎年報告されています。アフリカやアジアへの渡航歴がある方に多く見られるそうです。
アフリカ・東南アジア・中南米などマラリアの流行地域へ渡航する際は、出発前に医師に相談し、抗マラリア薬の予防内服を検討することが推奨されています(処方箋が必要です)。あわせて、長袖・長ズボンの着用や虫よけ剤の使用など、蚊に刺されない工夫も大切な予防策です。
帰国後も注意は続きます。渡航先から戻って7日目以降に、発熱などマラリアを疑う症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診するようにしてください。予防薬を服用していても感染することがあるため、「飲んでいるから安心」と思い込まないことが重要です。
まとめ
世界マラリアデーは、遠い国の出来事を「自分ごと」として考えるきっかけの日でもあります。マラリアは予防も治療もできる病気でありながら、今も多くの子どもや家族の命を奪い続けています。海外渡航の際の事前準備と、帰国後の体調変化への意識。そのちょっとした心がけが、自分自身の健康を守ることにつながります。
<参考URL>
http://www.iph.osaka.jp/li/070/20240422111613.html
https://japan-who.or.jp/news-releases/2204-38/
https://www.forth.go.jp/news/2012/04091307.html
https://esdcenter.jp/overseas/25075om/
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※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
