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5月8日は「世界赤十字デー」――困っている人に手を差し伸べる精神を、世界中で分かち合う日

公開日: 2026年05月08日
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毎日何気なく過ぎていく日々の中にも、健康や医療にまつわる「記念日」や「啓発の日」が数多く存在します。

この連載では、そんな日をひとつひとつ取り上げ、病気や健康について改めて考えるきっかけをお届けしています。

今日は5月8日、こんな日です。

今日は何の日?

5月8日は「世界赤十字デー(World Red Cross and Red Crescent Day)」です。

赤十字を創設したアンリ・デュナンの誕生日にちなんだ国際デーで、人道主義の精神と、地域の中で変化を生み出す一人ひとりの存在を記念する日です。

「赤十字」と聞くと、街中で見かける献血ルームや、災害時の支援活動をイメージする方が多いかもしれません。実はその歴史は160年以上前にさかのぼり、「困っている人を、敵味方関係なく助ける」という信念から生まれた活動が、今も世界中でつながっています。

赤十字はどのようにして生まれたのか

赤十字の起源は、1859年のイタリアにあります。

スイス人の実業家であったアンリ・デュナンは、イタリア統一をめぐる戦争の激戦地ソルフェリーノで、4万人にも上る死傷者たちの凄惨な光景を目の当たりにしました。戦場に残された負傷者たちは、十分な手当てを受けられないまま放置されていたのです。

デュナンは一人でも多くの命を救おうと奔走し、その経験から「傷ついた兵士はもはや兵士ではない、人間である。人間同士としてその尊い生命は救われなければならない」という強い信念が生まれます。

帰国後の1862年、デュナンはその体験をまとめた『ソルフェリーノの思い出』を執筆・出版。戦争犠牲者の実態を伝えたこの書物はヨーロッパ各地に大きな反響を呼び、救護団体の必要性を訴える声が広がっていきました。

その流れを受け、1864年にはジュネーブ条約が調印され、国際赤十字組織が誕生します。

世界赤十字デーが制定されたのは1948年のこと。

第二次世界大戦後、スウェーデンのストックホルムで開催された第20回赤十字社連盟理事会において、デュナンの誕生日である5月8日を記念日とすることが決定されました。

赤十字は今、世界でどのような活動をしているのか

現在の赤十字運動は、赤十字国際委員会(ICRC)と国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)、そして世界各国191の赤十字社・赤新月社(イスラム圏の国々における赤十字に相当する組織)から構成されています。

その活動を支えているのは、約1,600万人ものボランティアです。活動の内容も幅広く、保健衛生の普及・対策、給水・衛生環境の整備、食料や生活支援物資の提供、家族との連絡支援など、命と暮らしに関わるあらゆる場面で動いています。

なお、おなじみの赤十字のマークは、創設者デュナンの母国であるスイスの国旗の色を反転させたものといわれています。赤地に白い十字のスイス国旗に対し、白地に赤い十字が赤十字のシンボルです。

日本では5月が「赤十字月間」

日本では、5月8日の世界赤十字デーに加え、5月1日が日本赤十字社の創立記念日にあたることから、日本赤十字社は5月を「赤十字月間」と定めています。この時期には、各地の名所や歴史的建造物が赤くライトアップされるなど、赤十字の活動を多くの人に知ってもらうための取り組みが行われています。

「困っている人に手を差し伸べる」というデュナンの思いは、形を変えながら今日も受け継がれています。その精神は、私たちの暮らしの中にも息づいています。

まとめ

5月8日の「世界赤十字デー」は、赤十字創設者アンリ・デュナンの誕生日にちなんだ国際的な記念日です。

160年以上前に戦場で芽生えた「目の前の命を救いたい」という思いが、今日の世界規模の人道支援活動へとつながっています。

世界中でボランティアが活動する赤十字運動は、医療・衛生・食料支援など、命に関わるあらゆる場面で力を発揮しています。今日という日を、身近な「助け合い」の意味を見つめ直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。


<参考URL>
https://www.jrc.or.jp/international/news/2023/0510_032800.html
https://prtimes.jp/magazine/today/world-red-cross-day/
https://jp.icrc.org/information/rcrc-day-2021/

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