「とうもろこし」を毎日食べるとどうなる?太りやすい?管理栄養士が教える栄養と適量、健康的な食べ方

とうもろこしに期待できる健康効果や、食べる量の目安、栄養を生かす調理法について、たいや内科クリニックの管理栄養士・林安津美(はやし あつみ)さんに解説してもらいました。
専門家紹介
大学卒業後、JAあいち厚生連で37年間病院管理栄養士として勤務し、豊田厚生病院・安城更生病院では17年間技師長を務める。2022年5月より、たいや内科クリニックに勤務。病態栄養専門管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、腎臓病療養指導士、がん病態栄養専門管理栄養士、和漢薬膳師などの資格を有し、一人ひとりの思いや生活背景に寄り添ったテーラーメイドの栄養指導を実践している。
目次
とうもろこしには、どのような健康効果が期待できるのでしょうか?
とうもろこしは「炭水化物が多い食品」というイメージがありますが、実際には食物繊維、ビタミン類、カリウム、ルテイン・ゼアキサンチンなどの栄養素を含む栄養価の高い野菜です。

とうもろこしを食べる際、健康面で意識したいポイントはありますか?
とうもろこしの健康効果を十分に活かすためには、食べる量や組み合わせ、調理法を工夫することが大切です。

とうもろこしは食物繊維やビタミンB群、カリウム、ルテイン、ゼアキサンチンなどを含む栄養価の高い野菜ですが、同時に糖質も比較的多く含まれています。
そのため、ご飯やパン、麺類と一緒にたくさん食べると、糖質の摂り過ぎにつながることがあります。主食としてではなく、ご飯を少し減らしてとうもろこしを取り入れるなど、全体の糖質量を調整するとよいでしょう。
また、とうもろこしだけではたんぱく質が不足しやすいため、鶏肉や魚、卵、大豆製品などのたんぱく質食品と組み合わせると、栄養バランスが整います。さらに、野菜や海藻、きのこ類を一緒に取り入れることで、食物繊維やビタミン・ミネラルも補えます。
調理法は、ゆでる、蒸す、電子レンジで加熱する方法がおすすめです。
バターやマヨネーズをたっぷり使うと脂質やエネルギーが増えるため、素材の甘みを生かしたシンプルな調理が健康的です。焼きとうもろこしにする場合も、しょうゆや甘いタレをかけ過ぎると食塩や糖分が増えるため、控えめを意識しましょう。
また、とうもろこしに含まれるルテインやゼアキサンチンは脂溶性成分のため、少量の油と一緒に摂ると吸収率が高まるとされています。
オリーブオイルを少量かけたり、炒め物にしたりするのもおすすめです。ただし、油の使い過ぎには注意しましょう。
なお、収穫後のとうもろこしは時間とともに糖分がでんぷんへと変化し、甘みや風味が落ちていきます。購入後はできるだけ早く食べることで、おいしさを保ちやすくなります。
このように、とうもろこしは適量(中サイズのとうもろこしで1/2~1本程度、可食部約100~150g)を目安に、主食やおかずとのバランスを考えて取り入れることで、栄養価を活かしながら健康的に楽しむことができます。
生、ゆで、焼き、缶詰などで、栄養価や健康効果に違いはありますか?
調理法や加工方法によって、とうもろこしの栄養価には多少の違いがありますが、いずれも食物繊維やビタミン、ミネラルなどを含む食品であり、大きく健康価値が損なわれるわけではありません。それぞれの特徴を理解して選ぶことが大切です。

生のとうもろこしは、収穫直後であればビタミンCなどの熱に弱い栄養素を比較的多く含んでいます。ただし、生食できる品種は限られており、一般的なとうもろこしは加熱して食べるのが基本です。
また、収穫後は糖がでんぷんへと変化して甘みが低下するため、できるだけ早く調理することがおすすめです。
ゆでとうもろこしは最も一般的な食べ方ですが、水溶性のビタミンB群やビタミンC、カリウムの一部は、ゆでることでゆで汁に溶け出します。一方で、食物繊維やルテイン、ゼアキサンチンなどは比較的失われにくく、加熱後も多く残るため、ゆで調理でも十分な栄養を摂取できます。
蒸す、または電子レンジで加熱する方法は、水に触れる時間が短いため、水溶性ビタミンやミネラルの損失が少なく、栄養を効率よく摂取しやすい調理法です。栄養をできるだけ保ちたい場合にはおすすめです。
焼きとうもろこしは香ばしさが増し、おいしく食べられます。食物繊維やミネラルへの影響はほとんどありませんが、しょうゆや甘いタレを多く使うと食塩や糖分の摂取量が増えるため、味付けは控えめを心がけましょう。
缶詰のとうもろこし(ホールコーンやクリームコーン)は、収穫後すぐに加工されることが多く、食物繊維やルテイン、ゼアキサンチンなどのカロテノイドは比較的保たれています。
一方で、水煮タイプでは一部の水溶性ビタミンが減少することがあります。また、製品によっては砂糖や食塩が添加されているため、購入時には栄養成分表示を確認し、「食塩不使用」や「砂糖不使用」のものを選ぶとよいでしょう。
このように、栄養を効率よく摂りたい場合は、蒸す調理や電子レンジ加熱がおすすめです。一方で、ゆでる、焼く、缶詰なども十分に栄養価があり、それぞれの特徴を生かして無理なく取り入れることが、健康的な食生活につながります。
とうもろこしは毎日食べても問題ないのでしょうか?また、食べ過ぎによるデメリットはありますか?
健康な方であれば、とうもろこしを毎日食べても基本的には問題ありません。

とうもろこしは食物繊維やビタミンB群、カリウム、ルテイン、ゼアキサンチンなどを含む栄養価の高い食品で、毎日の食事に取り入れることで、腸内環境の改善や目の健康維持などに役立つと考えられます。
ただし、とうもろこしは野菜の中では糖質やエネルギーが比較的多い食品です。そのため、一度にたくさん食べると糖質やカロリーの摂り過ぎにつながることがあります。
とくに糖尿病や体重管理中の方は、ご飯やパン、麺類などの主食と一緒に大量に食べるのではなく、ご飯を少し減らしてとうもろこしに置き換えるなど、食事全体の糖質量を調整するとよいでしょう。
また、とうもろこしには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。適量であれば便通の改善に役立ちますが、一度に大量に食べると、お腹の張りやガスが増える、腹痛などの消化器症状が現れることがあります。
普段あまり食物繊維を摂っていない方は、少量から始めるのがおすすめです。
さらに、缶詰や加工品の中には、砂糖や食塩が添加されているものもあります。毎日利用する場合は、「食塩不使用」や「砂糖不使用」の製品を選ぶと、余分な塩分や糖分を抑えられます。
1回の目安量は、中サイズのとうもろこしで1/2~1本程度(可食部約100~150g)です。これくらいの量であれば、多くの健康な方は無理なく取り入れられるでしょう。
このように、とうもろこしは毎日食べても問題ありませんが、「とうもろこしだけ」に偏るのではなく、肉や魚、卵、大豆製品などのたんぱく質や、さまざまな野菜と組み合わせて食べることが大切です。
多様な食品を取り入れることで栄養バランスが整い、より健康的な食生活につながります。
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※本記事は、健康な成人の方を対象とした一般的な情報をまとめたものです。疾患がある方、治療中の方、服薬中の方、食事制限について指示を受けている方は、かかりつけの医師や管理栄養士などの専門家にご相談ください。


とうもろこしは適量を取り入れることで、腸内環境の改善や目の健康維持など、さまざまな健康効果が期待できます。
期待できる主な健康効果は以下のとおりです。
1.腸内環境を整え、便秘の改善をサポート
とうもろこしには、不溶性食物繊維が含まれています。不溶性食物繊維は便のかさを増やして腸の動きを促し、排便をスムーズにする働きがあります。
また、食物繊維は腸内細菌のエサとなり、善玉菌を増やして腸内環境を整えることにも役立ちます。
十分な食物繊維の摂取は、便秘予防だけでなく、2型糖尿病や心血管疾患などのリスク低下とも関連することが報告されています。
2.食後の血糖値の急上昇を抑えやすい
とうもろこしは糖質を含む食品ですが、白米や食パンなどの精製された炭水化物に比べるとGI(グリセミック・インデックス)が低めで、食後の血糖値が比較的ゆるやかに上昇する食品です。
その理由として、粒の構造や食物繊維を含むことにより、糖質の消化・吸収が比較的ゆるやかになることが挙げられます。ただし、糖質量自体は少なくないため、食べ過ぎると血糖値の上昇につながります。
主食としてご飯やパンを食べる場合は、その分の量を調整しながら取り入れることが大切です。
3.目の健康維持に役立つ
黄色いとうもろこしには、カロテノイドの一種であるルテインとゼアキサンチンが含まれています。これらは網膜の黄斑部に集まり、ブルーライトや紫外線による酸化ストレスから目を守る働きがあるとされています。そのため、加齢による視機能の低下や黄斑部の健康維持に役立つことが期待されています。
4.むくみ予防や血圧管理をサポート
とうもろこしにはカリウムも含まれています。カリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)の排泄を促し、体内の水分バランスを整える働きがあります。
そのため、塩分を摂り過ぎがちな方では、むくみや高血圧予防の一助となる可能性があります。
ただし、腎機能が低下している方はカリウム制限が必要な場合があるため、主治医や管理栄養士に相談しましょう。
5.エネルギー代謝を助ける
とうもろこしにはビタミンB₁をはじめとするビタミンB群が含まれています。
ビタミンB₁は糖質をエネルギーに変える際に欠かせない栄養素で、日常生活や運動時のエネルギー産生を支える働きがあります。
このように、とうもろこしは食物繊維や抗酸化成分、ビタミン・ミネラルを含む栄養価の高い野菜です。