キュウリには「栄養がない」ってホント?食べ方や注意点も解説【医師解説】

たしかにキュウリは水分が多い野菜ですが、本当に栄養がないのでしょうか?
キュウリに期待できる健康効果や、「栄養がない」と言われる理由、効果的な食べ方、食べ過ぎた場合の注意点について、なかざわ腎泌尿器科クリニックの中澤佑介院長に解説してもらいます。
医師紹介
金沢医科大学医学部医学科卒業。「患者さんに近い立場で専門的医療を提供したい」という思いで2021年、なかざわ腎泌尿器科クリニックを開設。泌尿器科専門医の資格を持ち、泌尿器科分野はもちろん、EDやブライダルチェックなど患者様のお悩みに幅広く対応している。
目次
「キュウリは栄養がない」と言われることがありますが、実際にはどうなのでしょうか?
緑黄色野菜と比べると栄養価は目立ちにくいですが、「栄養がない」という表現は、正確ではありません。

キュウリに期待できる健康効果を教えてください
水分補給のサポート、カリウムによるナトリウムの排出効果などが期待できます。

キュウリは約95%が水分で、100gあたりのエネルギーは13kcalと低カロリーです。糖質も多くないため、食事のボリュームを増やしながら摂取エネルギーを抑えたい方に向いています。
キュウリに期待できる健康効果として、まず挙げられるのが水分補給のサポートです。もちろん、水やお茶の代わりになるものではありませんが、暑い時期や食欲が落ちているときに、水分を多く含む食品として取り入れやすい食材です。
また、キュウリにはカリウムが含まれています。カリウムは体内のナトリウムの排出に関わるミネラルで、塩分の摂り過ぎが気になる方にとって重要な栄養素です。ただし、キュウリを食べれば血圧が下がるという意味ではありません。
減塩、適正体重の維持、運動習慣などとあわせて、野菜を十分に摂る食生活の一部として考えることが大切です。
さらに、キュウリには食物繊維も含まれています。食物繊維は便通を整える働きや、食後血糖値の急激な上昇を抑える働きに関わります。キュウリは食物繊維が特別に多い野菜ではありませんが、日々の野菜摂取量を増やすための手軽な選択肢になります。
そのほか、キュウリにはビタミンK、ビタミンC、βカロテンなども含まれます。これらは体の調子を整えるために必要な栄養素です。ただし、キュウリだけで十分な栄養を摂れるわけではありません。キュウリは、さまざまな野菜やたんぱく質食品と組み合わせて食べることで、より健康的な食事につながります。
キュウリの健康効果を引き出す食べ方・調理法を教えてください
栄養をできるだけ生かすなら皮ごと食べる。ほかには炒め物やスープにして食べるのもおすすめです。

キュウリの栄養をできるだけ生かすには、皮ごと食べるのがおすすめです。キュウリの皮には食物繊維やβカロテンなどが含まれているため、よく洗ったうえで、可能であれば皮をむかずに食べるとよいでしょう。
生で食べる場合は、サラダ、酢の物、和え物などが取り入れやすい方法です。酢やレモン、しょうが、大葉、みょうが、ごまなどを使うと、塩分を控えながら風味を出しやすくなります。
一方で、浅漬けやぬか漬け、塩もみは食べやすい反面、食塩摂取量が増えやすい点に注意が必要です。高血圧、腎臓病、心不全などで減塩が必要な方は、漬物として大量に食べるよりも、酢の物やサラダなど、塩分を控えやすい食べ方を選ぶと安心です。
また、キュウリはたんぱく質を含む食品と組み合わせると、食事としてのバランスがよくなります。たとえば、ツナ、ささみ、ゆで卵、豆腐、納豆、しらす、わかめ、ごまなどと合わせると、たんぱく質やミネラル、食物繊維を補いやすくなります。
糖尿病や肥満が気になる方は、マヨネーズをたっぷり使ったサラダよりも、酢の物、だし、ヨーグルト、少量のオリーブオイルなどを使った味つけがおすすめです。キュウリ自体は低カロリーでも、調味料の量によってはエネルギーや塩分が増えるため、味つけも意識しましょう。
キュウリは生で食べるイメージが強い野菜ですが、炒め物やスープにしても食べられます。胃腸が冷えやすい方や、生野菜を食べるとお腹が張りやすい方は、加熱して食べるのもよい方法です。加熱する場合は、長時間煮込むよりも短時間で調理する、スープごと食べるなどの工夫をすると、水に溶けやすい栄養素も摂りやすくなります。
キュウリは毎日食べても大丈夫でしょうか?また、食べ過ぎた場合の注意点を教えてください
健康的な方であれば毎日食べても問題ありません。食べ過ぎの際は胃腸症状に注意が必要です。

健康な方であれば、キュウリを毎日食べても基本的には問題ありません。低カロリーで水分が多く、食卓に取り入れやすい野菜です。
ただし、毎日食べる場合も、キュウリだけに偏らないことが大切です。厚生労働省は、健康づくりのために1日350g以上の野菜摂取を目標としています。キュウリはその一部として取り入れ、ほうれん草、にんじん、トマト、ブロッコリー、キャベツ、きのこ、海藻など、さまざまな食材と組み合わせるようにしましょう。
きゅうりを食べ過ぎた場合の注意点としては、まず胃腸症状があります。キュウリは水分が多く、冷やして食べることも多いため、一度に大量に食べると、お腹の張り、下痢、腹痛、体の冷えを感じることがあります。胃腸が弱い方や高齢の方は、冷たいキュウリを大量に食べるのではなく、常温に近づける、少量ずつ食べる、加熱して食べるなどの工夫をするとよいでしょう。
また、腎臓病がある方や、血液検査でカリウム値が高いと言われている方は注意が必要です。キュウリはカリウムが極端に多い食品ではありませんが、食べる量が増えればカリウム摂取量も増えます。腎機能が低下している方、カリウム制限を受けている方、心臓や腎臓の薬を服用している方は、主治医や管理栄養士の指示に従いましょう。
さらに、ワルファリンを服用している方は、ビタミンKの摂取量を急に大きく変えないことが大切です。キュウリはビタミンKが極端に多い食品ではありませんが、毎日の食べる量が急に増えたり減ったりすると、薬の効き方に影響する可能性があります。ワルファリン内服中の方は、キュウリを完全に避ける必要はありませんが、摂取量をなるべく一定に保ちましょう。
目安として、健康な方であれば1日1本程度を食事の一部として取り入れるのは、無理のない範囲です。ただし、漬物や塩もみとして食べる場合は、キュウリそのものよりも塩分の摂り過ぎに注意してください。
関連記事
※本記事は特定の病気・症状について一般的な医学情報を解説したものであり、個々の症状や状態に対する診断・治療を保証するものではありません。症状の現れ方・原因・経過には個人差があり、記事内容がすべての方に当てはまるとは限りません。また、本記事の内容は公開日時点の医学知識をもとに作成していますが、ガイドライン・診療方針は変更になる場合があります。


「キュウリは栄養がない」という表現は、正確ではありません。
キュウリは水分が多く、エネルギー、たんぱく質、脂質は少ない食品です。そのため、にんじん、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜と比べると、栄養価が目立ちにくい面があります。このことから、「栄養がない」と言われることがあります。
しかし、文部科学省の食品成分データによると、生のキュウリ100gには、カリウム、食物繊維、ビタミンK、ビタミンC、βカロテンなどが含まれています。つまり、キュウリは「栄養がない野菜」ではなく、「水分が多く、低カロリーで、ミネラルやビタミンも含む野菜」と考えるのが適切です。
特に、キュウリはみずみずしく歯ごたえがあるため、食事の最初に取り入れると、よく噛むことにつながります。サラダや和え物として食卓に加えることで、食事全体の満足感を高めやすくなるでしょう。
ただし、キュウリだけに偏ると、たんぱく質、鉄、カルシウム、ビタミンAなどは不足しやすくなります。健康的な食事を目指すには、キュウリだけでなく、緑黄色野菜、きのこ、海藻、豆類、魚、肉、卵、大豆製品などを組み合わせることが大切です。