極端な糖質制限は逆効果になる可能性も!?「糖質が悪者ではない理由」を管理栄養士がわかりやすく解説

本記事では糖質に関する正しい知識をもとに、ダイエット中にどのように糖質と向き合えばよいのかを、管理栄養士の視点からわかりやすく解説します。
執筆

医療系企業にて管理栄養士として勤務し、個別栄養相談を担当。加齢に伴う健康課題や女性のライフステージに応じた栄養管理、若年層の食生活改善まで、幅広い年代への指導経験を持つ。現在はフリーランスとして、管理栄養士の知見を活かし、健康・食分野の記事執筆や監修を中心に活動中。
目次
なぜ「糖質=敵」のイメージが広まったのか
糖質に否定的なイメージが広まった理由の一つに、「摂りすぎた糖質は中性脂肪として体内に蓄えられる」という情報があります。
情報自体は決して間違いではありません。食事から摂った糖質は、まず体や脳を動かすためのエネルギーとして利用され、使い切れずに余った場合は中性脂肪として蓄えられます。実際に、厚生労働省の資料にも「過剰な場合、エネルギーとして消費されなかった糖質は中性脂肪として蓄積され、肥満や生活習慣病の原因となります」(※1)との記載があります。
しかし、インパクトの強い「糖質は中性脂肪になる」という部分だけに注目された結果、糖質そのものが問題であるかのようなイメージにつながったと考えられます。
注意したいのは糖質の「摂りすぎ」、一般的な主食の量なら心配不要!
糖質は中性脂肪として蓄えられる場合がありますが、あくまでも必要以上に摂取した場合です。年齢や性別、身体活動量によって異なるものの、ごはん中盛り1杯や食パン1~2枚といった一般的な主食の量であれば、過度に心配する必要はありません。
一方で、ごはんを何杯もおかわりしたり、パンを何枚も食べたりする習慣が続くと、エネルギーの過剰摂取につながる可能性があります。
ダイエット中の極端な糖質制限は逆効果になる可能性も…!
「毎食の主食を抜いて糖質を減らせば、より早くやせられるのでは」と考えがちですが、極端な制限は体にさまざまな負担をかける可能性があります。
まず、糖質は体や脳の主要なエネルギー源です。そのため極端に不足すると、エネルギー不足によって疲れやすさや集中力の低下を感じる場合があります。さらには我慢が続いた反動で食べすぎてしまい、ダイエットが続かなくなるケースも少なくありません。つまり、ダイエット中だからといって、糖質を完全に避ける必要はないのです。
見直すべきは、主食「以外」での糖質摂取

糖質の摂りすぎを見直す際に、必ずしも主食を減らす必要はありません。糖質の摂りすぎは主食の量だけが原因ではなく、朝食・昼食・夕食以外に摂っている「プラスアルファ」の食品が影響しているケースがあります。
特に間食や甘い飲み物は、食事とは別に摂る機会が多く、知らないうちに糖質や総エネルギーを押し上げる原因の一つです。
具体的な「プラスアルファ」の食品としては、チョコレートやクッキーなどの甘いお菓子、菓子パン、ジュース、アイスクリームなどが該当します。また、見落とされがちなのが、スナック菓子やせんべいなどの塩味系のお菓子です。さらに、ビールやチューハイ、日本酒といったお酒も、種類によっては糖質を含むものがあります。
上記の食品を習慣的に摂っていたり、複数の食品を組み合わせて摂取したりすると、気づかないうちに糖質やエネルギーの摂りすぎにつながる可能性があります。
糖質の摂りすぎを防ぐにはどうすればいい?
糖質の摂りすぎが気になる場合、まず見直したいのは間食や飲み物など「プラスアルファ」の食品の摂り方です。日常生活で実践しやすい小さな工夫から始めてみるのがおすすめです。
<小さな工夫の例>
・毎日食べていたお菓子を週3~4回にする
・ジュースは一日コップ1杯、あとはお茶や水に置き換える
・週1~2回、晩酌のない日をつくる
短期間で大きな変化を求めるのではなく、できる範囲で良い習慣を積み重ねることが長期的な成果につながります。上記のような無理なく取り組める工夫を、徐々にステップアップしながら続けていけるとよいでしょう。
まとめ
糖質は、摂りすぎれば中性脂肪として蓄積される一方で、体や脳を動かすために欠かせない栄養素です。ダイエットでは主食を過度に減らすよりも、お菓子やジュース、アイスクリーム、お酒など、毎日の「プラスアルファ」の食品を見直すことが摂りすぎを防ぐ第一歩です。
適量の糖質を上手に取り入れながら、主食・主菜・副菜を組み合わせたバランスの良い食事を続けることが、健康的なダイエットへの近道といえるでしょう。
【出典】
※1.厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「炭水化物 / 糖質(たんすいかぶつ / とうしつ)」
【参考文献】
・農林水産省|「食事バランスガイド」について
・厚生労働省|「食事バランスガイド」について
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2025年版)
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※本記事は、健康な成人の方を対象とした一般的な情報をまとめたものです。疾患がある方、治療中の方、服薬中の方、食事制限について指示を受けている方は、かかりつけの医師や管理栄養士などの専門家にご相談ください。
