1日2Lも水を飲めない…と悩む人へ|実は足りてるかも?管理栄養士が教える必要な水分量

この記事では、1日2Lの考え方や実際に必要な水分量について、管理栄養士がわかりやすく解説します。
執筆

医療系企業にて管理栄養士として勤務し、個別栄養相談を担当。加齢に伴う健康課題や女性のライフステージに応じた栄養管理、若年層の食生活改善まで、幅広い年代への指導経験を持つ。現在はフリーランスとして、管理栄養士の知見を活かし、健康・食分野の記事執筆や監修を中心に活動中。
目次
「水分は1日2L飲むべき」って本当?
水分は、人体を構成する成分のなかで最も大きな割合を占める、生命維持に欠かせない成分です。
人間の体からは、尿や便、呼吸、汗などによって、1日に約2.5Lの水分が失われるとされています*(※1)。
体内には水分バランスを一定に保とうとする働きがあるため、失われた約2.5Lの水分は、たしかに補給する必要があります。ただし、2.5Lすべてを飲み物から摂取する必要はありません。
* あくまで平均的な成人男性を想定した目安であり、必要な水分量には個人差があります。
水分補給源は「飲み物」だけではない

口から摂取する水分は飲み物だけではありません。
ごはんやパン、めん類などの主食、野菜や果物、みそ汁やスープなど、普段の食事にも含まれます。たとえば、ごはん(水稲めし・精白米・うるち米)は約60%、食パンは約38%が水分です。野菜や果物はさらに水分含有量が多く、リンゴ(皮なし・生)は約84%、キャベツは約93%を水分が占めています(※2)。
また、人間の体内では栄養素が代謝される際に水がつくられるほか、呼吸や皮膚を通して水分が取り込まれることもあります。
では、飲み物からどれくらい水分をとればいい?
環境省の資料によると、1日に必要な水分のうち、食事から約1L、体内でつくられる水分が約0.3Lあるとされています(※1)。
つまり、飲み物以外から約1.3Lの水分を補えるため、飲み物による摂取が必要な水分量は約1.2Lが目安です。
毎日2Lの水を飲めなくても、食事などを含めて必要な水分量を確保できていれば、必ずしも水分不足になるとは限りません。
ただし、より多くの水分が必要なケースも…
場合によっては、普段より多めの水分補給を心がける必要があります。
たとえば、夏の暑い日や暑い環境で過ごすと、汗をかく量が増えて体から失われる水分も多くなります。運動でたくさん汗をかいた日も、普段より多めに水分を補給しましょう。
また、発熱や下痢、嘔吐がある場合も体から水分が失われやすいため、こまめな水分補給が必要です。
さらに高齢者は若年層と比べて、のどの渇きを感じにくくなる傾向があります。「のどが渇いていないから大丈夫」と思わず、のどが渇く前から意識して水分を補給しましょう。
コーヒーやアルコールは水分に含まれる?

コーヒーやお茶などのカフェインを含む飲み物には利尿作用があります。
一般的な範囲で摂取するのであれば水分補給源になりますが、たくさん飲む場合や利尿作用に敏感な人は水やカフェインを含まない飲み物(麦茶など)を中心にするのがおすすめです。
一方でアルコールは、尿量を増やして体内の水分を失わせる方向に働くため、水分補給を目的とした飲み物には適していません。
飲酒量をそのまま水分補給源として考えるのは避けましょう。
こまめな水分補給を習慣にするコツ
行動のタイミングを水分補給のきっかけにすると、飲むことを忘れにくく、こまめな水分補給を習慣にしやすくなります。
まずは普段の水分摂取量にコップ1杯分(約200mL)をプラスすることから始めてみましょう。
▼水分補給のタイミング例
・朝起きたとき
・食事のとき
・入浴の前後
・スマホを確認するとき
・トイレに立ったとき
まとめ
私たちは、飲み物だけで水分を補っているわけではありません。食事に含まれる水分や体内でつくられる水も補給源になります。毎日2Lの水を飲めなくても、必要量を確保できていれば水分不足を過度に心配する必要はありません。
ただし、それでも「水分が足りていないかも」と感じる方は、まずコップ1杯程度の水分をプラスで飲む習慣から始めてみるとよいでしょう。
【出典】
※1.環境省|「健康のため水を飲もう」推進運動
※2.文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
【参考文献】
・厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2025年版)
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※本記事は、健康な成人を対象とした一般的な情報をまとめたものです。疾患がある方、治療中の方、服薬中の方、ご高齢の方、妊娠または授乳中の方、食事制限について指示を受けている方等は、必ず主治医の判断を優先してください。
