ダイエットで朝食抜きは逆効果になる可能性も……朝食を抜いても痩せない理由を管理栄養士が解説

体重を減らすためには、食事からとるエネルギーを、消費するエネルギーよりも少なくする必要があります。そのため、朝食を抜くと効率よくカロリーを抑えられるように思えるかもしれません。
しかし、実際のところ「朝食抜き」で行うダイエットは効率的と言えるのでしょうか?
今回は、朝食と体重変化のメカニズムについて管理栄養士の立場からわかりやすく解説します。
執筆

医療系企業にて管理栄養士として勤務し、個別栄養相談を担当。加齢に伴う健康課題や女性のライフステージに応じた栄養管理、若年層の食生活改善まで、幅広い年代への指導経験を持つ。現在はフリーランスとして、管理栄養士の知見を活かし、健康・食分野の記事執筆や監修を中心に活動中。
目次
ダイエットの基本は「摂取エネルギーを抑えること」だけど……
前提として、「食べる量を減らす」という考え方自体は間違いではありません。
体重の変化は、基本的に摂取エネルギーと消費エネルギーのバランス(エネルギー収支)によって決まります。消費エネルギーよりも摂取エネルギーが少ない状態が続けば、身体は蓄えている脂肪などをエネルギー源として利用するため、体重減少につながります。
朝食を抜くと、当然ながらその1食から得るはずだった摂取エネルギー量はゼロになります。しかし、朝食を抜いた分だけ体重が減るとは限りません。
その理由のひとつは、摂取エネルギーだけでなく「消費エネルギー」も減る可能性があるためです。
午前中に必要なエネルギーが不足し、身体活動量が低下することで、1日の消費エネルギーが少なくなる場合があるでしょう。
加えて、朝食欠食によって、その後の食事量が増える場合もあります。
農林水産省の資料によると、朝食をとらないと「1回の食事の摂取量が多くなり過食につながる可能性」(※1)が指摘されています。
朝食からとる摂取エネルギーは減るものの、その後の昼食や夕食、間食などで食事量が増える可能性があるのです。
ダイエット中に朝食をすすめる理由は「体重」だけではない
朝食は、メンタルや自律神経を整える上でも重要な役割を果たします。
人間の体内時計は24時間よりも若干長い(※2)ため、毎日の生活の中で時間のズレを整える必要があります。
朝食をとることは、朝日を浴びることと並んで体内時計を整え、1日の生活リズムを作る合図になるとも言われているのです。
体内時計のズレは、大きくなるほど心身にストレスがかかり、「しっかり活動することができなくなったり、感情が不安定になってしまうこと」(※3)が知られています。
心身の乱れはストレスによる過食や活動量の低下につながるため、ダイエットにとっても大きなデメリットだと言えるでしょう。
ダイエット中の朝食は何を食べたらいい?
普段の食事はもちろん、ダイエット中の朝食でも適度な糖質は欠かせません。糖質は脳や身体を動かすエネルギー源となり、体温や代謝を維持するためにも役立ちます。
ただし、おにぎりやパンのみといった主食だけの朝食では、たんぱく質や野菜などが不足しやすくなります。
栄養バランスを整えるため、主食に加えて、たんぱく質を含む主菜や野菜・海藻などを使った副菜、果物なども組み合わせるとよいでしょう。
●朝食の簡単組み合わせ例
・納豆ごはん+わかめの味噌汁
・全粒粉パンにレタスとゆで卵を挟んだサンドイッチ
・オートミール+冷凍ブルーベリー+高たんぱくヨーグルト
まとめ
朝食を抜くことで、たしかに1食分の摂取エネルギー量は減少します。
しかし、その後の食事量が増えてしまったり、日中の活動量(消費エネルギー)が落ちてしまったりすることもあるため、最終的な体重への影響には個人差があります。
ダイエットにおいて大切なのは、朝食を抜いて1食分のエネルギーを減らすことではなく、朝食も含めた1日の食事全体で栄養バランスを整えることです。ご自身のライフスタイルに合った、無理なく続けやすい朝食の形をぜひ見つけてみてくださいね。
【出典】
※1.農林水産省|実践食育ナビ イラストデータ素材集 単身者の方へ
※2.厚生労働省|健康日本21 アクション支援システム 体内時計(たいないどけい)
※3.農林水産省|子供の食育 確かめよう!自分の一日 朝食が大事なワケ
【参考文献】
・厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2025年版)
・農林水産省|朝ごはんを食べないと?
・文部科学省|「早寝早起き朝ごはん」国民運動の推進について
・農林水産省|朝食を毎日食べるとどんないいことがあるの?
・農林水産省|みんなの食育 世代ライフスタイル別トピックス 若者単身者編 朝ごはんを食べていますか
・農林水産省|「食事バランスガイド」について
・厚生労働省|「食事バランスガイド」について
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※本記事は、健康な成人の方を対象とした一般的な情報をまとめたものです。疾患がある方、治療中の方、服薬中の方、食事制限について指示を受けている方は、かかりつけの医師や管理栄養士などの専門家にご相談ください。
