エアコンを使っていても熱中症に!?意外と知られていない“設定温度の落とし穴”とは

また、しっかり部屋を冷やせていたとしても、いわゆる冷房病のリスクも…。エアコンをかしこく使うために避けたい”落とし穴”を気象予報士が解説します。
執筆

NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、「納得できるわかりやすい解説」に定評があるほか、防災や気候変動についても親しみやすい説明を得意とする。野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理やレシピ制作も行い、気象と健康、食事の関係にも詳しい。
目次
エアコンの設定温度=室温ではない!?
熱中症対策のために適切にエアコンを使うには、設定温度の数字よりも室温をしっかり確認することが重要です。
「え、設定温度が28℃なら、そのうち室温も28℃になるのでは?」と思われるかもしれませんが、そこに落とし穴があります。
というのも、エアコンのスペックと部屋の大きさが合っていなかったり、部屋全体の空気がうまく循環していなかったりすると、いくらエアコンを使い続けていても設定温度には到達できません。
また、人がいる場所の近くにパソコンなどの電化製品があると、そのまわりだけ気温が高くなってしまうこともあります。こういった理由から、設定温度ではなく室温を基準にエアコンを使う必要があるのです。
エアコンの室温表示にも落とし穴が…
最近のエアコンには、現在の室温を表示する機能がついているものもあります。そのため、わざわざ温度計を用意しなくても、エアコンの本体やリモコンに表示された室温の数字を見ればよいと思いきや…そこにも落とし穴が。
エアコンの室温表示は、本体の上面や前面にある吸気口から入る空気の温度を測ったもののため、実際に人がいる場所の温度とは異なる場合があります。前述のように人の近くにパソコンなどの電化製品があれば人の近くだけ室温が高くなりますし、エアコンの近くに背の高い家具などがあると室温を測る機能が正常に働かないことも。
そのため、熱中症対策には人がすごす場所の近くに温度計を置いて、室温を確認するようにしましょう。最近は湿度も一緒に測れる温度計が、100円ショップやホームセンターなどで安価で手に入るため、湿度もあわせてチェックするのがおすすめ。
ちなみに湿度はおおむね40~60%になっているのが理想です。
エアコンを適切に使っているのに調子が悪い…それ、冷房病かも!?

エアコンを使い、室温もチェックして、ちゃんと部屋を涼しくしているはずなのに、なんとなく体がだるくて食欲がなく、よく眠れない…。それは「冷房病」かもしれません。
夏の間、冷房のよく効いた部屋ですごすようになると、通勤や通学などで外を歩くときと温度差が大きくなりすぎて、自律神経のバランスが悪くなってしまい、倦怠感や消化不良などさまざまな症状が出ることがあります。正確な医学用語ではないものの、よく「冷房病」や「クーラー病」と言われます。
「冷房病」を防ぐには、体を冷やしすぎないようにするのがポイント。ちょっと室温が下がりすぎたと思ったら上着を羽織れるよう用意しておいたり、冷たい食べ物や飲み物をとりすぎないようにしたり、入浴時にシャワーだけでなくぬるめの湯につかるようにしたりなど、できる範囲でやってみてください。
それでも体の不調が治らない場合は、がまんせず医療機関を受診しましょう。
エアコンをかしこく使って猛暑を乗り切ろう
近年は猛暑となる期間が長くなってきただけでなく、夏場は1日のうちエアコンを使わざるを得ない時間が長くなってきました。光熱費も気になる中でせっかくエアコンを使うのであれば、少しでも有効に使いたいところですよね。
熱中症や冷房病になってしまいがちな”落とし穴”を避けながら、かしこくエアコンを使って長い長い夏を乗り切りましょう。
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