今年のインフルエンザは異例の早さで流行入り…ワクチンは「いつまでに」打つべき?

例年、日本では12月から3月頃にインフルエンザが流行しますが、2026年は異例の早さで流行入りしました。厚生労働省は8月28日に流行入りを公表しており、1999年の感染症法施行以降では2番目に早い流行入りとなっています。
今年はいつ予防接種を受ければよいのでしょうか。ワクチンの効果が期待できるまでの期間などについて、林外科・内科クリニックの林裕章理事長の監修で解説します。
医師紹介
国立佐賀医科大学を卒業後、大学病院や急性期病院で救急や外科医としての診療経験を積んだのち2007年に父の経営する有床診療所を継ぐ。現在、外科医の父と放射線科医の妻と、その人その人に合った「人」を診るクリニックとして有床診療所および老人ホームを運営しており、医療・介護の両面から地域のかかりつけ医として総合診療を行っている。また、福岡県保険医協会会長として、国民が安心して医療を受けられるよう、医療者・国民ともにより良い社会の実現を目指し、情報収集・発信に努めている。
目次
インフルエンザワクチンは「打ってすぐ」効くわけではない
インフルエンザワクチンの予防効果が期待できるのは、接種した約2週間後からです。その後は、皮下注射ワクチン(不活化ワクチン)の場合は約5カ月間、点鼻ワクチン(弱毒生ワクチン)の場合は約1年間にわたって一定の効果が持続するとされています。
そのため、インフルエンザが流行し始めてから慌てて接種するのではなく、流行する時期から逆算して予防接種を受けておくことがポイントになります。
例年、日本では12月から3月頃がインフルエンザの流行シーズンで、1月から2月に流行のピークを迎えます。
こうした例年の流行状況を踏まえると、11月中旬頃までに接種しておくと流行シーズンに備えやすく、流行のピークに間に合わせるのであれば、12月中旬頃までには接種しておく必要があります。
今年は異例の早さでインフルエンザが流行入り
ただし、2026年は例年とは状況が異なります。
厚生労働省によると、8月17~23日の定点医療機関当たりの平均報告件数が1件を超えたことから、8月28日に流行入りが公表されました。これは1999年の感染症法施行以降、2番目に早い流行入りです。
厚生労働省は自治体に対し、医療機関の接種体制などの環境が整えば、インフルエンザの定期接種を例年より早く開始することも可能だと周知しています。
ただし、流行入りが早かったからといって、今後必ず大きな流行になるわけではありません。厚生労働省も、早い流行入りが今後の大きな流行を意味するものではないとしています。
接種時期は今年の流行状況も踏まえて考えよう
インフルエンザワクチンの予防効果が期待できる期間は、接種した約2週間後から5カ月後程度(点鼻ワクチンの場合は約1年)までです。
例年であれば、12月以降の流行シーズンから逆算して接種時期を考えることができます。しかし、2026年はすでに例年よりかなり早く流行入りしています。
ワクチンは接種してすぐに効果が期待できるものではないため、「毎年この時期に打っているから」と例年どおりに考えるだけでなく、今年の流行状況も踏まえて接種時期を検討するとよいでしょう。
早い時期に流行が始まった年でも、流行がそのまま年明けまで続いたり、別の型のインフルエンザが春先にかけて流行したりすることがあります。
実際、夏の終わりに流行が始まった2023年のシーズンも、患者数のピークは12月で、年が明けてからも流行が続きました。「夏に流行が始まったから、冬はもう大丈夫」ということはありません。
65歳以上の人など定期接種の対象となる人は、お住まいの自治体の接種開始時期を確認し、接種できるようになったら早めに受けておくと安心です。
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※本記事は特定の病気・症状について一般的な医学情報を解説したものであり、個々の症状や状態に対する診断・治療を保証するものではありません。症状の現れ方・原因・経過には個人差があり、記事内容がすべての方に当てはまるとは限りません。また、本記事の内容は公開日時点の医学知識をもとに作成していますが、ガイドライン・診療方針は変更になる場合があります。

