「自律神経の乱れ」とはどんな状態?原因や症状、医療機関を受診すべき目安を医師が解説

そもそも「自律神経」とは何をしている神経で、「乱れる」とはどのような状態なのでしょうか。自律神経の基本的な仕組みから、バランスが崩れる原因、現れやすい症状、医療機関を受診する目安まで、さくらひだまり訪問クリニックの加藤久普院長に解説してもらいました。
医師紹介
さくらひだまり訪問クリニック院長。東京大学理学部、名古屋大学医学部を卒業後、総合病院で内科や救急などの研鑽を積む。その後、慶應義塾大学精神・神経科学教室にて助教を務め、大学病院や都立松沢病院をはじめとする精神科医療の第一線で豊富な臨床経験を重ねる。さらに複数のクリニックで精神科および内科の訪問診療に深く携わった経験を活かし、東京都北区に当院を開院。現在は心身両面から地域に根ざした訪問診療を行っている。
目次
「自律神経」とは、どのようなものなのでしょうか?
自律神経とは、私たちの意思とは関係なく、24時間休むことなく働き続け、全身の器官をコントロールしている神経ネットワークのことです。

「自律神経が乱れている」「自律神経の乱れ」という言葉をよく耳にしますが、これは具体的にどのような状態を指すのでしょうか?
「自律神経の乱れ」とは、先述した交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなり、バランスが崩れてしまった状態を指します。

現代人にとくに多いのは、常に交感神経(アクセル)が働きすぎてしまい、心身が過緊張の状態から抜け出せなくなっているケースです。
原因は大きく分けて3つあります。
1つ目は「精神的ストレス」(人間関係の悩み、仕事のプレッシャー、不安など)です。
2つ目は「身体的ストレス」(過労、睡眠不足、光や音などの強い刺激、気象の変化など)です。
そして3つ目は「生活習慣の乱れ」(不規則な食生活、昼夜逆転の生活など)です。
これらのストレスが重なると、自律神経の司令塔である脳の視床下部という部分に負荷がかかり、バランスが崩れてしまいます。
自律神経のバランスが崩れると、どのような症状が現れる可能性がありますか? また、医療機関を受診したほうがよいケースについても教えてください。
自律神経は全身に張り巡らされているため、バランスが崩れると頭の先から足の先まで、多様な心身の不調が現れます。これを一般的に「自律神経失調症」と呼ぶこともあります。

代表的な身体症状としては、慢性的な疲労感、だるさ、めまい、頭痛、動悸、息切れ、胃痛や下痢・便秘、冷え、のぼせ、不眠などが挙げられます。
また精神的な症状として、イライラ、漠然とした不安感、落ち込み、やる気が出ないといった抑うつ気分を伴うことも少なくありません。
医療機関を受診する目安としては、「十分な休息をとっても症状が回復しない」「つらい不調により、仕事や家事など日常生活に支障が出ている」場合です。
まずは内科などで別の身体的な病気が隠れていないか検査を受けることが重要ですが、「異常がない」と言われたのに不調が続く場合は、精神科や心療内科への相談をおすすめします。
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※本記事は特定の病気・症状について一般的な医学情報を解説したものであり、個々の症状や状態に対する診断・治療を保証するものではありません。症状の現れ方・原因・経過には個人差があり、記事内容がすべての方に当てはまるとは限りません。また、本記事の内容は公開日時点の医学知識をもとに作成していますが、ガイドライン・診療方針は変更になる場合があります。


自律神経のおもな役割は、呼吸、血液の循環、消化・吸収、体温調節、排泄など、生命維持に欠かせない機能を自動的に調整することです。
自律神経には、活動時や緊張時、ストレスを感じたときに働く「交感神経(車のアクセルのような役割)」と、休息時やリラックス時に働く「副交感神経(車のブレーキのような役割)」の2種類があります。
この2つの神経がシーソーのようにバランスを取りながら働くことで、私たちの体は外的環境の変化に合わせて最適な状態を保つことができています。