病院・薬局検索の病院なび

毎日歯を磨いているのに「口臭」が気になる…歯科医が教える、疑うべき原因

公開日: 2026年10月07日
アイキャッチ画像
毎日しっかり歯を磨いているはずなのに、なぜか口臭が気になる――。そんな経験はありませんか?

毎日歯磨きをしていても口臭がする原因や、口臭を予防・改善するための正しいケアについて、医療法人社団Sr.orthodonticsの理事長で、千葉センシティ矯正歯科の院長も務める、石川 宗理医師に解説してもらいました。

医師紹介

石川 宗理の画像
石川 宗理理事長
医療法人社団SR.orthodontics

東京歯科大学卒業。同大学大学院口腔科学研究科(矯正歯科学専攻)を修了し、博士(歯学)を取得。2022年に「千葉センシティ矯正歯科」、2024年に「豊洲センシティ矯正歯科」を開院。マウスピース矯正やワイヤー矯正など幅広い矯正治療を手がける。インビザラインのブラックダイヤモンドプロバイダーで、アライン・テクノロジー社のエデュケーター(公認講師)も務める。また、歯科衛生士専門学校での講師活動や講演などを通じて、矯正歯科分野の教育・情報発信にも力を入れている。

■千葉センシティ矯正歯科
■豊洲センシティ矯正歯科

毎日しっかり歯磨きをしているのに、口臭が気になることがあるのはなぜなのでしょうか?

原因はいくつか考えられます。具体的には、磨き残しや虫歯、歯周病などが挙げられます。

石川 医師石川 医師 のアイコン

ひとつ目の磨き残しについて。自分ではしっかり歯磨きをしているつもりでも、歯ブラシだけではすべての汚れを取り除くことは難しく、歯と歯の間や奥歯などに歯垢が残っている場合があります。

歯垢には、1mgあたり約1億~10億個もの細菌が存在するといわれています。歯垢が長期間歯面に付着したままになると、唾液に含まれるカルシウムなどの作用によって石灰化し、歯石になります。

歯石は歯ブラシだけでは除去できないため、歯科医院で定期的にクリーニングを受け、歯垢や歯石を取り除くことが口臭予防にもつながります。

ふたつ目、虫歯や歯周病がある可能性について。

虫歯によってできた穴に食べかすや細菌が入り込んだり、虫歯が進行して歯の神経が壊死し、歯の根の先に膿がたまったりすると、口臭の原因となることがあります。

また、歯周病に関連する細菌を含む口腔内細菌が、口腔内のタンパク質などを分解・代謝する過程で、硫化水素やメチルメルカプタンなどの揮発性硫黄化合物が産生されます。

これらは口臭の主要な原因物質として知られており、歯周病がある場合には口臭が強くなることがあります。

歯周病は、進行するまで痛みなどの自覚症状が現れにくいことがあります。

そのため、口臭が気になる場合には、セルフケアだけで対処するのではなく、虫歯や歯周病などが隠れていないか歯科医院で確認してもらうことも大切です。

    口臭の原因として、口の中以外の病気が隠れていることもあるのでしょうか?

    口臭の原因は、口の中だけとは限りません。例えば、副鼻腔炎などの鼻の病気や、逆流性食道炎などの消化器系の病気が関係している場合があります。また、糖尿病などの全身的な疾患が口臭に影響することもあります。

    石川 医師石川 医師 のアイコン

    まずは歯科医院で口腔内に原因がないか確認してもらうことが大切です。

    歯科医院で診察や治療を受けても口臭が改善しない場合や、鼻づまり、鼻水、喉の違和感、胸やけなど、ほかの症状を伴っている場合には、必要に応じて耳鼻咽喉科や内科などへの受診を検討するとよいでしょう。

    また、唾液の分泌量が減少することも、口臭が強くなる原因のひとつです。

    唾液には、口の中の汚れや細菌を洗い流す「自浄作用」があります。そのため、唾液の分泌量が減ると口腔内の自浄作用が低下し、口の中が乾燥して口臭が強くなることがあります。

    唾液の分泌量が減少したり、口の中が乾燥したりする原因はさまざまです。水分不足や口呼吸のほか、服用している薬や全身疾患などが関係している場合もあります。


    さらに、唾液の分泌は自律神経によって調節されています。緊張やストレスを感じると唾液の分泌や性状に変化が生じ、口の中の乾燥を感じやすくなることがあります。

    そのため、緊張する場面で一時的に口が乾き、口臭が気になることもあります。

      口臭を予防・改善するためにおすすめのケアを教えてください。

      口臭を予防するためには、まず歯科医院で定期的なメンテナンスを受け、虫歯や歯周病があれば適切な治療を受けることが大切です。

      石川 医師石川 医師 のアイコン

      そのほかのケアとして、舌の清掃も口臭対策のひとつです。

      舌の表面には細かな突起がたくさんあり、その間に「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる白っぽい付着物がたまることがあります。

      舌苔は、剥がれた粘膜上皮の細胞や細菌、食べかすなどが舌の表面に付着して形成されます。

      舌苔が多少付着していること自体は珍しいことではありませんが、口腔内の清掃状態や唾液の状態など、さまざまな要因によって付着量が増えることがあります。

      舌苔は口臭の原因のひとつとなるため、舌苔が多く付着している場合には、適切に舌を清掃することが口臭対策につながります。

      ただし、舌はデリケートな組織です。清掃する際には舌専用のブラシなどを使用し、強い力をかけずに優しく行いましょう。

      舌の奥までブラシを入れると嘔吐反射が起こることもあるため、無理に奥まで入れる必要はありません。舌の奥から手前に向かって、優しく清掃します。

      また、舌を頻繁に磨いたり、力を入れてこすったりすることは避けましょう。舌の白い部分を完全になくそうとして、過度に清掃する必要もありません。

      口腔内が乾燥すると、口臭が強く感じられることがあります。日頃から適度な水分補給を心がけ、口の中の乾燥を防ぐことも大切です。

      また、喫煙も口臭と関連する要因のひとつです。タバコそのもののにおいに加えて、喫煙は口腔内の環境や歯周組織にも影響を与えるため、禁煙は口臭対策だけでなく、口腔内の健康を守るうえでも重要です。

      口臭の原因はさまざまで、自分だけでは原因を特定することが難しい場合もあります。

      「毎日歯磨きをしているのに口臭が気になる」という場合も、単に歯磨きの方法だけが原因とは限りません。虫歯や歯周病、舌苔、口腔内の乾燥など、さまざまな原因が考えられます。

      口臭が気になる場合には、まずかかりつけの歯科医院で口腔内の状態を確認してもらい、ご自身の原因に合ったケア方法について相談してみることをおすすめします。

        ■協力:なかむら まこ(歯科衛生士)
        2011年、福岡医療短期大学を卒業し、同年に歯科衛生士免許を取得。福岡県および東京都内の歯科医院にて歯科衛生士として勤務し、幅広い年代の患者の口腔衛生管理や予防歯科に従事する。2023年より千葉センシティ矯正歯科に勤務。矯正治療における口腔衛生管理や患者指導を担当し、患者一人ひとりの口腔内環境に合わせたサポートを行っている。

        関連記事

        ※本記事は特定の病気・症状について一般的な医学情報を解説したものであり、個々の症状や状態に対する診断・治療を保証するものではありません。症状の現れ方・原因・経過には個人差があり、記事内容がすべての方に当てはまるとは限りません。また、本記事の内容は公開日時点の医学知識をもとに作成していますが、ガイドライン・診療方針は変更になる場合があります。