病院・薬局検索の病院なび

10月13日は「麻酔の日」――手術の痛みを和らげた、日本の医師の挑戦【今日は何の日】

公開日: 2026年10月13日
アイキャッチ画像
毎日何気なく過ぎていく日々の中にも、健康や医療にまつわる「記念日」や「啓発の日」が数多く存在します。

この連載では、そんな日をひとつひとつ取り上げ、病気や健康について改めて考えるきっかけをお届けしています。

今日は10月13日、こんな日です。

世界初とされる全身麻酔下での手術を成功させた日

10月13日は、日本麻酔科学会が定めた「麻酔の日」です。1804年のこの日、江戸時代の医師・華岡青洲(はなおか せいしゅう)が、世界初とされる全身麻酔下での手術を成功させました。麻酔について広く知ってもらうための日でもあります。

華岡青洲が成功させたのは、麻酔薬を使って乳がんを取り除く手術でした。青洲が開発した麻酔薬は「通仙散(つうせんさん)」あるいは「麻沸散(まふつさん)」とも呼ばれ、チョウセンアサガオを主な材料に、数種類の薬草を組み合わせてつくられたそうです。

なお、西洋で全身麻酔が成功したのは1846年のアメリカでのことなので、青洲の成功はそれより約40年も前。日本麻酔科学会は、この日を人類が手術の痛みから解放された歴史的な日と位置づけ、「麻酔の日」としています。

麻酔とはどんなもの?

麻酔とは、薬などを使って痛みを感じにくくしたり、意識を一時的になくしたりする医療技術です。手術の内容に応じて、全身麻酔や局所麻酔などが使い分けられます。麻酔がなかった時代、患者さんは痛みを必死にこらえて手術を受けるしかありませんでした。

青洲の麻酔薬は飲み薬でした。効き始めるまでに約2時間、手術を始められるまでに約4時間、目覚めるまでに6~8時間かかったと伝えられています。

現代の全身麻酔では、注射する薬や吸入する麻酔薬などを使い、麻酔の深さを調整できます。手術後は薬の投与を終了・調整することで、通常は比較的短時間で意識が回復できるようになりました。

現代における麻酔科医の仕事は、手術中に麻酔をかけることだけではありません。手術前には患者さんの体調を確認し、麻酔の計画を立てます。手術中は状態を注意深く見守り、麻酔を調整します。手術のあとも、集中治療や痛みの管理を続けます。

活躍の場は手術室の外にも広がっています。集中治療室、救急医療、ペインクリニック(痛みの専門外来)、緩和医療、出産時の無痛分娩の管理などです。

まとめ

10月13日の「麻酔の日」は、華岡青洲の偉業をたたえるとともに、麻酔の役割を見つめ直す日です。麻酔は、患者さんが痛みを和らげて治療を受けるための大切な医療です。今日は、手術を陰で支える麻酔と麻酔科医の存在に、少しだけ思いを寄せてみてはいかがでしょうか。

<参考URL>
https://anesth.or.jp/users/common/essay
https://www.wakayama-med.ac.jp/med/bun-in/seishu/anesthesia.html
https://www.jpma.or.jp/junior/kusurilabo/history/person/index.html
https://archive.okinawa.med.or.jp/old201402/activities/kaiho/kaiho_data/2006/200610/052.html
https://www.terumo.co.jp/story/ad/challengers/14

関連記事

※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。