病院・薬局検索の病院なび

6月21日は「世界ALSデー」――難病ALSを知り、考えるきっかけの日【今日は何の日】

公開日: 2026年06月21日
アイキャッチ画像
毎日何気なく過ぎていく日々の中にも、健康や医療にまつわる「記念日」や「啓発の日」が数多く存在します。

この連載では、そんな日をひとつひとつ取り上げ、病気や健康について改めて考えるきっかけをお届けしています。

今日は6月21日、こんな日です。

今日は何の日?

6月21日は「世界ALSデー」です。ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病の啓発を目的とした国際的な記念日。

「ALS」という名前を聞いたことはあっても、どんな病気かはよく知らない、という方も多いかもしれません。今日はこの機会に、ALSという病気のことを少し知っていただければと思います。

この記念日が生まれた背景

ALSは現在もまだ原因が十分に解明されておらず、根本的に治す治療法が見つかっていない難病です。

そのような状況のなかで、「1人でも多くの人にこの病気を知ってほしい」「関心が広がることで研究が進み、いつか治る病気になってほしい」という切実な願いを背景に、各地でさまざまな啓発活動が行われています。

たとえば日本では、名古屋で毎年「世界ALSデーin NAGOYA みんなでゴロンしよう!」というイベントが開催されています(2026年は6月6日に開催)。参加者が5分間、地面に寝転がったまま動かずにいることで、自分では体を動かせないALS患者さんの感覚を体験するという参加型の催しです。

ALS患者さんが直面する「体を思うように動かせない状態」――そのわずか5分間の体験が、多くの人にとってこの病気を「自分ごと」として考えるきっかけになっています。

ALSってどんな病気?

ALSの正式名称は「筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)」。英語名 Amyotrophic Lateral Sclerosis の頭文字をとってALSと呼ばれています。

この病気では、脳や脊髄にある「運動ニューロン」と呼ばれる神経細胞が、少しずつ障害を受けて失われていきます。運動ニューロンは、脳からの「体を動かせ」という命令を筋肉に伝える役割を担っています。この神経が障害されると、手足・のど・舌の筋肉や、息をするために必要な筋肉が徐々に痩せ、力が入らなくなっていきます。

厚生労働省の「指定難病」にも指定されており、多くの場合、発症の原因がはっきりとはわかっていません。ALSの約5%は「家族性ALS」と呼ばれ、遺伝子の変異が関わることが判明しているものもありますが、残りの大多数は遺伝とは無関係に発症する「孤発性」とされています。

現在の治療は、症状の進行をできる限り遅らせることが中心で、根本的に治す方法はまだ確立されていません。

一方、治療薬の開発という面では、希望の光も見えてきています。

慶應義塾大学の岡野栄之教授らの研究グループが中心となって進めてきた「ロピニロール」という薬剤の臨床試験(第1/2a相)では、安全性と有効性が確認されました。

試験の結果、この薬を投与した患者さんのグループでは、そうでないグループと比べて病気の進行を約7か月遅らせる可能性が示されています。現在はさらに大規模な第3相治験の準備が進められているとのことです(2024年6月時点の情報)。

研究はまだ途上にありますが、確実に前に進んでいます。

まとめ

6月21日の世界ALSデーは、難病ALSを世界中で考える日です。原因には未解明な部分が多く、根治療法もまだ確立されていない一方で、治療薬の研究は着実に進んでおり、「治る病気」を目指した取り組みが続いています。

まずはALSという病気があることを知る。それがこの記念日の一番の願いです。

 

<参考URL>
https://goron.jp/
https://alsjapan.org/2330/
https://genetics.qlife.jp/news/20240619-j462/

関連記事

※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。