「金属は危険」「ゴム長靴で安全」はウソ?夏に急増する「落雷」被害から身を守る方法とは

猛暑や台風に注意が集中しがちな夏に、意外と気をつけるべき落雷。知っているようで知らない、雷から身を守るためのポイントを気象予報士が解説します。
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NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、「納得できるわかりやすい解説」に定評があるほか、防災や気候変動についても親しみやすい説明を得意とする。野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理やレシピ制作も行い、気象と健康、食事の関係にも詳しい。
目次
「金属を持っていると雷が落ちやすい」はウソ?
多くの人が一度は聞いたことがあるかもしれない「金属製のものを身につけていると雷が落ちやすい」という話は、科学的根拠がありません。
現代では、金属を持っていて持っていなくても、同じ確率で雷が落ちることがわかっています。
なお、人によっては「傘をさしていると雷が落ちやすい」という話で覚えているかもしれません。
これは正しいのですが、傘の骨が金属だから雷が落ちやすいのではなく、雷は高いところに落ちやすい性質があり、傘をさしている人のほうが周りの人より「てっぺん」が高くなるのが原因です。
そのため、キャンプ場や野球場など、周りに高い建物がない(つまり避雷針がない)開けた場所では、雷雨のとき傘ではなくレインコートを使用しましょう。
「ゴム製の靴なら雷の電気を通さない」はウソ?
ゴムには「絶縁性」つまり電気を通しにくい性質があるため、電線の被覆や安全用具などさまざまなところに利用されています。
そのため、ゴム製の長靴やレインコートを身につけていれば落雷の被害から逃れられる…と思われることもあるのですが、これは誤り。
雷は非常に高い電圧を持っているため、雷に対してはゴムの絶縁性は役に立ちません。「ゴム長靴を履いているから大丈夫!」と思わずに、雷雨のときには開けた場所にとどまるのを避け、丈夫な建物の中に入るようにしましょう。
直撃しなくても命に関わる可能性が…
雷が原因で人が亡くなった…そう聞くと、人に雷が落ちたシチュエーションを思い浮かべる人が多いと思いますが、実は、雷は直撃しなくてもリスクが高い現象です。
たとえば、木や建物に落ちた雷が、近くにいる人に移る「側撃」。直撃と同じくらい、命に関わる威力があります。
よく、雷雨のときは木の下で雨宿りをすると危ないと言われますが、建物の軒先でも同じことが起きますので、木の下以外なら安全ということはありません。
また、前述のように開けた場所で傘をさしていると雷が落ちやすいのですが、その落ちた人から近くの別の人に「側撃」するパターンもあります。
さらに、「分岐放電」といって、落雷の電流が空気中で分離して複数地点に落ち、一度に複数の死傷者を出すことも。
雷のリスクは実は多岐にわたるのです。
正しい知識で落雷被害を避けよう
雷は、誰もが見たり聞いたりしたことのある身近な現象なだけに、科学的根拠のない思い込みが広がりやすいという特徴があります。
地球温暖化が進み、短い時間に集中して積乱雲が発達する事例が増える中、これまで以上に注意が必要な落雷被害。
思い込みではなく正しい知識をもとに、対策をしていきましょう。
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